The Third Stage:第三ステージ

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第3ステージ

シン「まちプロ論」考 2024
=まちづくりに大切なものは何か?=

2024新年に、退職後の新たな段階、第3ステージ「The third stage」*を宣言した。
コロナ禍を越えて、やっと新たな展開が生まれるのか、そんな期待を吹き飛ばす「風」はもなく、気持ちは、じめっとした梅雨型の気候で停滞中。最近、茨城の中本さんのセミナーに触発され、もう一度これまでの活動を振り返って、なぜまちづくりが停滞しているのか分析してみようと考えた。
今回のステージは、初期の段階からまちづくりに関する課題の解決をも内包しているため、地域活動とって「まちづくりに大切なものは何か?」を現時点で整理し、「シンまちプロ論考」として取りまとめた。

Ⅰ「まちプロ立ち上げ」前史
Ⅱ「まちプロ」活動史
Ⅲ「まちプロ」解散から現在

*<Stageメルクマール>
No.1 まちプロ:NPOと地域社会浸透
No.2 Anyアート:通信制大学での実践研究
No.3 地域文化コモンズ構築模索、RivesXのコミュニティ結成

なお、まちづくり論については、かって自分史No1で当時の考え方を「まちづくりと地域政策」として取り上げている。

Ⅰ「まちプロ」前史:2007.4-2009.11

NPO法人「まちづくりプロジェクト (略称::まちプロ)」の立ち上げ。
きっかけは、柏原市がはじめて市民に公募してメンバーを集めた「まちづくり基本計画策定委員会」でした。6ヶ月で「計画2008」を岡本市長に提案(2008/1/8)し、早や20ヶ月が過ぎる間、月1回程度集まり、まちづくり推進のために「市民として何ができるのか」、提案直後から亀の瀬や竜田古道里山、堅下ワインフードなど見学会も交えながら市民主導のまちづくりを推進すべく粘り強く活動を続ける中、「社会的な位置づけや責任を明確にした活動母体かが必要」との判断からNPOを設立させるべきとの結論に達しました。
「われわれは、まちづくりに関するプロジェクトの企画やコーディネートを通じ、まちづくりに関する知識と人材と資源を有機的に結びつけ、地域をより「魅力あるまち」、より「住みたいまち」に変貌させることを目標に、まちづくりを推進し、地域の活性化に寄与することを目的」として、「まちプロ」を立ち上げた。(2009年11月3日設立)

 まちプロ」とは
まちにあるパチンコ大好き集団(パチプロ)ではありません。
まちづくりをすすめるプロ(プロフェッショナル)の集団でもありません。
「このまちには夢がある」「まちに誇りを感じる」
そんな気持ちをもてるような「まちづくりのプロジェクト」をおこす
ために「何かをやってやろう」そんな志を持った人の集まりです。
時間と身体と心と頭のどれかを持てあましているシルバー大歓迎!
時間はなくてもまちのために何かをしたい男性大歓迎!
子育てや地域の活動を何とかしたい女性大歓迎!
このまちのために何かやりたい若者大歓迎!

Ⅱ「まちプロ」活動史:2009.11-2015.4

 最初は、地域の資源、山と川の自然から「かしわら水仙郷」や「健康ウオーク」、「柏原ええトコ発見塾」がはじまった。さらにまちづくりのカギを握る「ひと」に着目して、元気、ユニーク、魅力的な人材が、まちづくりの基盤となることから人材の養成「まちづくり人創生塾」や、交流の場づくり「ええトコKASHIWARA円卓交流会」などを推進した。「新しい公共」事業に関しては中間支援NPOの機能強化と役割が求められていることにより各種団体の協力支援、ネットワーク連携を追求し、人やグループ・団体との交流を通じて、まちづくりの探索を行った。
ええトコわがまちKASHIWARA円卓交流会
取組みの柱は二つあり、
一つが「人や組織の連携」であり、元気で頑張る人やグループ活動の前進面と課題を整理する場として井戸端会議を設定し、あらたな展開を切り開けるよう支援してきた。
また、もう一つの柱が、「情報の連携、マルチメデイアな発信」である。柏原の魅力資源を発掘し物語化し、
・ホットスポットシリーズとして発行する情報冊子
・ええトコわがまち柏原FaceBookグループなど柏原の魅力と資源の共有化を推進してきた。
この「ええトコわがまちKASHIWARA」トリプル作戦は、まちプロの設立目的に沿ってまちづくりの基礎段階は確実に切り拓いてきた。「ええトコわがまち柏原」構想

H&Pホットスポットの発行

   
それぞれのダウンロードはコチラ

まちづくり物語


Ⅲ「まちプロ」解散から現在:2015.4-2024.6

「まちづくり物語2」(2015.4)では、

  • 大阪かしわらの産物「ぶどうとワイン」
  • 毎日の暮らし生活を支え「中心市街地を形成する商店街」
  • 人々の生活に潤いと豊かさ生み出す「地域社会とアート」

をテーマを設定し、それぞれの核になる団体を中心に推進すると共に、求められている中間支援機能強化と役割については、公的スキームにより組織化運営を期待することにし、NPO法人「まちプロ」としては、当初のまちづくりの方向性を具体的に指し示したことから解散をした。まちプロの9年間のあゆみ

「まちづくりは、終わりはない。次のフェーズがどうなるかも、これからだ。この冊子が、地域の皆さんの持っておられるまちづくりへの問題意識の共有になり、新らたにまちづくりに熱い想いを持った人が、生まれるきっかけになれば幸いである。「まちづくり物語2」(2015.4)」

その後、中間支援組織の組織化は出来ていないが、上記三テーマについては

  • 耕作放棄地から生まれた「宝吉ワイン」、あらたな「つむぐワイン」の実績、大阪ワイナリー協会などのワインコミュニティの広がり
  • 商店街の組織主体の組合法人化、歩行者天国を活かした地域子ども会や町会との連携
  • 作家中心から地域主体へ、「Anyアート」を掲げた新たな地域アートプロジェクトの独自性 

など、それぞれ紆余曲折があるものの、前進の芽が生まれている。
    

現在のまちづくり論点:問題点と課題

 これまで地域のまちづくりとしては、山崎亮の「コミュニティデザイン」を理論的な武器に多様なアプローチを行ってきた。しかし何かひっかかっていたのは、手法に終始し、訴えるもの=「共感」を呼び起こすものに欠けていたような気がしていた。
 今また登場した「消滅可能都市」は、人口減少を嘆くのではなく、現在の人口は多すぎるので適正な人口規模を見据え「適疎なまちづくり」「儲かりはしないが生活していけるまち」として、どんな地域アイデンティティを発揮し、都市として生きていくのかを問われている。
 一方、円安、物価高の中で、経済が上向きで循環する時代も終わった。「自立循環経済」や「半農半X」を拡張した働き方も現実的な地域の選択肢として離陸してきている。更に、住まいや生活の価値観の変化を反映した「シェア」の概念が広がってきた、またコミュニティが共有する物や場所や価値観を意味する「コモンズ」も話題になってきた。
 これまでの「まちプロ論」を総括すると、印象としてはドンキホーテ的であり、時期ごとのテーマに突っ込んできた中で、想いを持った「人」との間で本質的な哲学や理念が語られず「なぜ今コミュニティか?」、「つながりのデザインとは何か?」「人が変わる、地域が変わるとは、どういうことなのか?・・・」などの点が共有できていず、新たな局面を切り拓くことにつながっていないのが現実だ。と自分自身としては総括せざるをえない。
 再度、新たなステージのテーマとしてとりあげ「シンまちプロ論」に取りかかろうと考えている。

次のような点が列挙される。
・まちづくりの主体
→主人公は誰か?:まちづくり基本条例の改正か?
・まちづくりとは何を目指すのか
→メルクマールは何か?:イベントをやるのではなく、人をどれだけ見つけ育てたのか
キーワード:文化コモンズ、対話の文化(コミュニティデザイン)
:推進エンジン:プラットフォーム

さて、新たな風はどこから吹き始めるのかも、楽しみとしたいもの。
参考:

第3ステージ

ええトコわがまちKASHIWARA

夏祭りの時に、駅前に子供や若者など沢山の人が集まってきて、まちは突然のように活気がもどってくる。しかし、それを過ぎると日頃人通りの少ない毎日の風景にもどってしまう。これではまちが元気で活性化していると思えない。わがまち柏原に魅力を感じ、地域に強い誇りを持てる、みんながそんな気持ちを日常的に持てていない。しかし、人は、誰もが何らかの意味で、自分の住んでいる地域に愛着を持っている。そのためやはり「まちづくり」が潜在的には大切だと思っている人は多い。
地域におけるまちづくりの関心を「ええトコわがまちKASHIWARA」(2007.12)として整理したもので、すでに15年以上たっており一貫して共通なものもあるが歴史的な記録でもあり、現在の社会的な価値観をも加味した新たな要素が求められる。

誇れる資源資産を5つの面からアプローチ

地域エリアに公共交通機関の駅が11もある

住みたいまちのトップ3は、交通の便、自然環境、買い物が便利

まちづくりの3つの戦略:市民主導・資源資産の有効活用・ブランド